3. iTrust新興国株式の特徴と つみたて枠登録の意味¶
3.1. ファンド概要¶
正式名称: iTrust新興国株式
愛称: 働き盛り 〜労働人口増加国限定〜
運用会社: ピクテ・ジャパン
運用方針: アクティブ運用。新興国の中でも「労働人口 (15〜64歳の生産年齢人口) が拡大している国」に厳選投資
NISA成長投資枠: 従来から対象
NISAつみたて投資枠: 2026-04-08 登録 (本レポートの起点)
3.2. つみたて投資枠登録の意味¶
つみたて投資枠の対象商品は金融庁が要件 (信託報酬上限・分配頻度・運用期間 等) を厳しく審査するため、登録は同枠で長期積立に耐え得るファンドであることの認証に近い。特に本ファンドは:
つみたて投資枠において、新興国株式に厳選投資を行う唯一のアクティブファンド (ピクテ社プレスリリース)
成長投資枠 (年240万) との併用により、長期積立 + 一括投入の両軸で活用可能
既存の つみたて枠対象ファンドはほぼインデックスに集約されており、アクティブ運用への分散選択肢が広がる意義
3.3. ピクテの運用体制¶
ピクテ社 コーポレートサイト・IR資料 によれば:
新興国投資のパイオニア: 1850年頃 (当時の米国への投資) から新興国投資を開始した約220年の歴史
専門チームの層: 株式・債券・エコノミストを合わせ、50名以上の新興国専門運用チーム
グローバルカストディ・ネットワーク: R&Mコンサルタンツ 2024年世界最高評価。一般的な新興国投資ではアクセス困難なカザフスタン市場などへの直接投資を可能にしている
3点目は本レポートの判断において特に重要で、後述の geopolitics.md で扱うウラン・カザトムプロムへの直接投資はピクテのカストディ網が前提条件となる。同等の投資効果を他社のインデックス・アクティブファンドで再現することは困難。
3.4. 主要組入銘柄 (ピクテ社 iTrust新興国株式 月次運用レポート 2026年3月末時点 — 主要組入銘柄)¶
銘柄 |
国 |
注目点 |
予想PER (2026年3月末) |
|---|---|---|---|
グルポ・メキシコ |
メキシコ |
世界トップクラスの銅生産。AIデータセンター需要追い風。米国〜メキシコ鉄道網保有 |
13.2倍 |
ペトロブラス |
ブラジル |
国営石油。世界有数の低コスト油田・高配当 |
5.2倍 |
カザトムプロム |
カザフスタン |
世界最大のウラン生産企業 (世界シェア約40%)。原発ルネッサンス銘柄 |
13.1倍 (年初来 +42%) |
これら銘柄群への直接エクスポージャーは、本レポートが対象とする既存PF (米国株・ゴールド・日本資源株) では取れていない。
3.5. 本章のまとめ¶
iTrust は「労働人口増加国に厳選投資するアクティブファンド」であり、つみたて枠で唯一のEMアクティブ
ピクテのカストディ網がカザフスタン等の特殊市場へのアクセスを可能にしている (代替不可な競争優位)
主要組入銘柄は資源・エネルギー・コモディティ生産企業に集中しており、後章の「成長テーマ」「地政学テーマ」と密接に結びつく